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イリオモテヤマネコの非常事態宣言と救出劇 [イリオモテヤマネコ]

久しぶりにイリオモテヤマネコの記事なんか書いてみます。

イリオモテヤマネコについては、2011/4の記事以来です。
これは、保護中の「よん」が亡くなったという悲しい記事でした。

実は西表島には、2013年から、環境省による「非常事態宣言」が発令されていました。
イリオモテヤマネコは、西表島にのみ生息する国の特別天然記念物で絶滅危惧種です。
ですが、島の道路環境が良くなるにつれて交通事故が多発し、2013年、イリオモテヤマネコの交通事故が過去最悪(6件、いずれも死亡)となったことを受けて、環境省が「非常事態宣言」を発令したものです。

ところが、ちょっと嬉しいことがありました。
先日の竹富島旅行から帰宅して、お土産の泡盛の包装紙に使われていた新聞紙をちらっとみると、
「ヤマネコ幼獣、野生に復帰」の見出し!
良く読んでみると、今年の8月に車に轢かれたと思われるイリオモテヤマネコが、西表野生生物保護センターで
保護され、懸命の治療により元気を回復。9/3に野生に復帰したそうです。
交通事故にあったヤマネコが回復するのは奇跡的なこと。とても嬉しいですね。ヤマネコも可愛い。

八重山毎日新聞の記事です。クリック頂ければ大きな画像でご覧いただけます。

※この画像、著作権上、非常に問題がありそうな気もしますが、良いニュースなので掲載しました。 お詳しい方、ご指摘頂ければ削除しますので、ご助言頂けましたら幸いです。

※※新聞記事の写真を掲載していましたが、著作権に触れるので削除しました。
新聞記事をざっと整理すると、8/26未明に保護されたのは、生後約5か月のメスのヤマネコで、発見連絡から1時間半以内に血液採取やX線検査等の治療が開始されたそうで、事故に遭ったヤマネコが野生復帰するのは今回が初めてだそうです。

助かってよかったです。
西表島へ行かれる機会がありましたら、車の運転はぜひともゆっくり運転でお願いしたいです。

イリオモテヤマネコの「よん」 [イリオモテヤマネコ]

先日の4/9夜、イリオモテヤマネコの「よん」が亡くなったそうです。
推定15歳と1ヶ月。人間で言うと100歳を超える大往生だったそうです。

「よん」は、沖縄・西表島の西表野生生物保護センターで保護されていたイリオモテヤマネコです。
1996年、交通事故にあい、それから西表野生生物保護センターでリハビリをしていました。
昨年6月、西表野生生物保護センターで話を伺いましたが、交通事故で生き延びた唯一のヤマネコだったそうです。
しかし、命は取り留めましたが後遺症が残り、野生に戻すことは出来なかったそうです。

こちらの写真は、その際にモニタで見た「よん」の様子です(ストレスになるため直接見ることは出来ませんでした)。
IriomoteWildCat.jpg
歳をとってあまり活動的ではありませんが、この頃はまだ元気だったようです。

よん、よくがんばったね。


※イリオモテヤマネコに興味のおありの方はこちらの記事もご覧になってください。
西表野生生物保護センターのウェブサイトにもいろいろと詳細が発信されています。

イリオモテヤマネコのこと [イリオモテヤマネコ]

2010年西表島旅行の西表野生生物保護センターで学んだイリオモテヤマネコのことを紹介しようと思います。


イリオモテヤマネコはネコ科の動物ですが、家庭で飼われているイエネコとは異なる種類のネコです。
見た目はイエネコとあまり変わりありませんが、特徴としては、胴が長く、四肢は太く短く、尻尾も太いです。
また、耳の後ろに白い模様があり、耳の先端にキズがある(先端に小さな切れ目がある)ことも特徴です。
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イリオモテヤマネコは世界中で西表島にのみ生息しており、沖縄の言葉でヤママヤー(山の猫)とかヤマピカリャー(山で光るもの)と呼ばれていました。

西表島にはイリオモテヤマネコをモチーフにしたいろいろなものを見かけることが出来ます。
これは歩道で見つけました。
3.jpg
そのほかにも、イリオモテヤマネコの形の植え込みなんかがあったりします。


イリオモテヤマネコの行動
イリオモテヤマネコは夜行性で、特に夕暮れ~夜半の間と明け方に活発に動きます。
完全な肉食で、木の実などは食べません。
宮古・八重山にのみ生息するキシノウエトカゲ(天然記念物)が大好物です。
森や湿地を住処とし、泳ぎも上手です。


イリオモテヤマネコの環境
イリオモテヤマネコ(以下ヤマネコ)の生息数は約100頭強。
現在、最も絶滅の恐れが高い絶滅危惧種に指定されています。

もともとヤマネコは西表島の生態系の頂点に立っていました。
しかし、西表島の開発が進むことで、ヤマネコにとっては生きにくい環境になっていきます。

新たに西表島に侵入してきた動物も、ヤマネコを脅かしています。
オオヒキガエルは、中南米原産の大型のカエルで、皮膚から毒を出すため、ヤマネコが
これを食べると死んでしまう危険性があります。
したがって、オオヒキガエルの西表島への定着は、なんとしても食い止めなければなりません。

イエネコもまた、大きな影響を与えます。
イエネコが野良になった場合、その病気(猫エイズなど)がヤマネコに感染すると、
このような病気を知らないヤマネコにとって重大なダメージとなる恐れがあります。
また、住処や餌を奪われるおそれもあります。

もちろん、人間もヤマネコの害敵です。
1978年以降、確認されているだけで46件のヤマネコの交通事故が発生していますが、
事故後に生き残ったのは、西表野生生物保護センターでリハビリ中の「よん」だけです。

ですから、西表島ではヤマネコの交通事故を防止すべく、様々な工夫がなされています。
まず、交通事故の危険性の高い区間には、ゼブラゾーンが設けられています。
これは、道路に凹凸を設けることで音や振動を発生させ、ヤマネコに注意を促すものです。

またヤマネコが道路を横断しないよう、道路の下にトンネルが設けられていますし、
道路脇の側溝も工夫されています。
これは、側溝をにスロープを設けて側溝から脱出しやすくしたり、道路に出にくい形状にしたりするものです。

私も夜に車で浦内川へ向かっていたとき、道路上で猫に遭遇しました
(暗くてよくわかりませんでしたが、まずイエネコでしょう)。
ヤマネコを轢いては大変だと思い時速30~40km/hくらいでゆっくり走っていたので、
車を止めることが出来ましたが、普通の速度で走らせていたら轢いていたでしょう。

西表島は交通量が少なく、その割には道路は立派なのでついつい速度を出したくなりますが、
夜はそんな気持ちをセーブしなければなりません。


※以上は主に、西表野生生物保護センターのヤマネコ検定から引用
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